上司が配慮してくれるようになった
30代女性、当時20代
発病までの背景
地方都市の田舎町で生まれた私。専門学校時代に一度、県外で一人暮らしの経験がありますが、それ以外は実家以外で生活をしたことはありません。家族は両親と3人兄弟ですが、自分だけ年が離れているので、まるで一人っ子のように育ちました。小さいころから甘やかされていたと自分でも思います。
そんな私は、何かに集中すると、それしか見えていなかったと言われるくらい。気になるものがあると急に車道にも飛び出す癖がありました。そのために自宅の入り口には、父特製の手作りの5mに及ぶ長い柵が備え付けられていました。学校では、その衝動は記憶にはありませんが、けんかをして押したみたいで相手が骨折をするというけがをさせてしまったこともあります。授業中は何とか座っていましたが、部活の時にみんなの中に座っていることが出来ません。そのため一人体育館の倉庫で過ごしていたということもよく覚えています。
大人になって現れたADHDの症状
就職をして気が付いたことは、仕事がスムーズにができないということです。何度失敗しても、また同じようなところで失敗をすることもたくさんありました。
仕事自体は、マニュアルがあったので、それを見るとゆっくり何とか出来るようになりました。しかしマニュアルに書いてあること以外は、何度言われても全く理解が出来ないのです。というのもその場では理解できるのですが、相手の言っていることを集中して聞くことが出来ず、気が散るのです。特にみんなが注意している私を見ていると、そちらに気が取られるのです。そのため、怒られることも度々ありました。
また一つの仕事を完璧に終わらせて次に移るということが難しく、いつも中途半端に終わらせてしまっていたのです。一つの仕事をしていても、次が気になるので、つい次の仕事に移ってしまっていたのですね。それもよく注意をされていたことの1つです。
私が行った治療
職場の上司で、子供がADHDという方がいました。私が何度も注意を受けていることを見て、個別に話をしたいと希望されたのです。そこでADHDと診断されたことはあるか?と聞かれました。私はないと答えたのですが、上司は、子供が通っている心療内科に私を連れて行ってくれました。そこで初めてADHDということが分かったのです。
治療は、特に薬物療法はなく、認知療法で対処していこうということになりました。はじめは1週間に一度の受診でした。それから約6か月たち2週間に一度の通院になり、今は1ヶ月に一度の通院です。認知療法といっても特別なことはなく、いつも雑談のような感じです。しかしこんな時にこんなふうにしたらよいということを適切にアドバイスしてもらえるので、助かっています。
その後
現在も同じ職場で勤務していますが、私がADHDと診断を受けてから、上司は配慮してくれるようになりました。例えば、これまでマニュアル以外のことは口頭で注意をしていましたが、それが書面で注意するようになりました。マニュアルを追加するようになったということです。また仕事も一つのことが終わるまで、次の仕事は与えないということになり、一つに集中して出来るようになりました。
仕事をしているとまだまだ気が散ることもあるし、段取りが悪い時もあります。しかし、上司の配慮があったこと、自分の意識も少しずつかえることが出来るようになっていたので、以前より仕事がしやすくなりました。これからの課題は、仕事の段取りをよくすることで、克服するために、一日の行動目標を書き出すようにしています。
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