数字と向き合うなかで症状が悪化した
30代女性
発病までの背景
私は姉が1人いる4人家族でした。
小学生の頃は、ずっと席に座っていることができなかったり、テストも途中で毎回席を立ったりしていたために、単純に集中力がない落ち着きのない子として見られていました。
しかし、中学、高校、と進むにしたがって、やはり深刻な病気じゃないか、という目で見られだしました。
私の場合は、ADHDの症状のなかでも多動性や衝動性が強く、それが年を経るにしたがって収まるのではなく、より顕著になっていきました。
大人になって現れたADHDの症状
私は某企業の経理関係に大卒後、就職したのですが、日々、煩雑な数字と向き合う中で、よりADHDの症状が顕著になり、ミスも頻発しました。
それも難解なものではなくて、むしろケアレスミスが多かったわけです。医師の診断を受けたところ、ADHDのなかでも注意欠陥型の障害だといわれました。
自覚としては、数字に向き合っていても、急に抑えられない衝動が生じ、まったく関係ないこと、当時付き合っていた彼氏のことであったり、友人のこと、また家族のことを考えたりしました。しかし、考えているときには、それを考えているという自覚がなく、上司からの声でハッと我に帰るということが何度もありました。
そして、やはりその職場では長く続けることができず、いまではアパレル関係の仕事をしています。
私が行った治療
私は高校生になってから、はじめてヒアリングやテストなどでADHDと診断されました。以来、定期的に同じ病院にかかっています。
そして、時期によって症状が重いときと、また軽くなることがわかりました。また、1日のなかでも、衝動性が激しいときと、そうでないときがあります。
こういったことも、同じ病院に通い続けているからこそ、医師が私の心と体のことをよく理解してくれ、わかってきたことです。
そして、そういった症状の悪化と快方の周期は、まさにランダムにやってきます。しかし、1日中悪いということもなく、良い時間帯はかならずあるということもわかりました。
こういった自分への理解が、ADHDの治療なのだといまではよくわかっています。
その後
ADHDの治療の中で、私に合っているのは、いわゆる立ち仕事だと感じました。
ずっと同じ場所で座って、同じ様な単調な仕事を繰り返すと、衝動性が顕著なときにかならずミスをしてしまうからです。
そのため、いまではアパレルショップで働いていて、接客や備品管理など、動き回っていると、衝動性があっても気を紛らわせてミスをすることは少ないです。
症状が落ち着いているときは、レジや在庫、入荷の伝票を作成するなど、比較的に静的な仕事をします。このような静と動が組み合わさった仕事が、私には一番向いていると感じています。
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