大人のADHDと子供のADHDの違い
ADHDはもともと子供の発達障害として定義されたものです。大人でも子供でもADHDの特徴の本質は変わりません。
子供のころADHDであった人は、次のような経過をたどると言われています。
- 1/3が思春期までに症状がなくなる
- 1/3が大人になっても症状が残るものの生活に支障はなくなる
- 1/3が大人になっても症状が残り生活に困難が生じる
大人になってもADHDの特徴の本質は変わりませんが、環境の変化などにより周りの対応が違ってきます。
その辺りも踏まえて、ADHDにおける子供と大人の違いを以下に記します。
項目 | 子供の場合 | 大人の場合 |
---|---|---|
よく見られる特徴 | 落ち着きのなさといった多動性が目立つ。 | 成長とともに多動性は弱まる。そのかわり、忘れ物や集中力のなさといった不注意が目立つようになる。 |
症状の自覚 | 家庭や学校に守られているので、自覚がない場合も多い。 | 家族や周りからの指摘により、否が応でも自覚することが多い。行動には自分で責任を持たないといけない。 |
二次障害 | 家庭や学校が守ってくれるので特にはない。 | 成長していくうちに自己評価が極端に低くなることがある。その結果、うつ病、不安障害などになってしまうことがある。 |
周りからの評価 | 子供ということで大目に見られる。励まされたり叱られることで一時的に治まるので、個性の範囲内とみてくれる。 | 忘れ物ばかり、片付けできない、仕事をやりとげられないでは、周りから非難の目で見られる。子供の頃は見過ごされていた症状が、会社勤めや結婚生活などで目立ってくる。 |