片付けができない
症状
ADHDの人の中でとくに多いのが片付けられないという症状です。
どこから片付ければいいのか、どうやって手をつければいいのかわかりません。
ADHDの基本症状である不注意が大きく関係しています。集中力がなく、何かをやり遂げることが困難なため、片付けが非常に苦手です。
部屋が散らかっていると何がどこにあるかわかりません。なくし物も多くなって生活に支障がでます。床が見えなくなるほど散らかって、通帳など大事なものが見つからないといった事態になることも多いです。
また、ADHDの人は、衝動的にお金に糸目をつけずに、物を大量に購入してしまいがちです。このことも部屋が物でいっぱいになる要因になります。
物があふれていると、イライラして気分も落ち着きません。片付けをしていても、興味が他に移ると、片付けを放置してしまい、散らかっていきます。
片付けができないことで自分が嫌になったり、家族から非難されたりして、うつ状態になってしまう人もいます。
対策
片付けは次のようにして頑張ってみましょう。段階を踏んで片付ければきっとできます。ルールを作って習慣にすることが肝です。
1.物を減らす
部屋に散らばったものを「いるもの」「いらないもの」「保留」の3種類に分けます。保留のものは、また日を改めて仕分けしましょう。普段から大切なものとそうでないものを仕分けして片付けるようにしましょう。
どう減らすか、何を減らすかが問題になります。自分にとって何が重要か見極めましょう。「いらないもの」は思い切って捨てましょう。住む家の広さは決まっています。いらないものは処分する勇気が必要です。
本やCDは収納できなくなったら古いものから処分していきましょう。洋服は種類別に収納して、同じようなものを買わないようにします。新しい服を買ったら古い服は処分していきましょう。下駄箱を確認して、収納できないものは古いものから処分しましょう。また、冷蔵庫の中の賞味期限の切れているものを置きっぱなしにしないようにしましょう。きれいな紙袋や包装紙などついつい貯めこんでしまうものは期間を決めて処分しましょう。
1つ買ったら1つ捨てる、収納できなくなったら古いものから捨てるといったルールを決めるとよいでしょう。
2.物の置き場所を決める
片付けを上手にするには物を分けて収納するのが一番です。物の置き場所を決めましょう。置き場所があれば片付けも楽になります。
よく使うもの、まあまあ使うもの、めったに使わないものというように分けて収納します。読みかけの本などはひとまとめにして箱などに閉まっておきましょう。脱いだ服を置く場所を作って脱ぎっぱなしにならないようにしましょう。
かばんの中が散らかりがちな場合は、バッグインバッグ(かばんの中に入れるかばん)を使用し、大事な物をまとめておきましょう。
収納場所が決まったらラベルを付けて、使ったらそこに戻す習慣をつけましょう。特に大事なものは目立つ場所にしまうようにしましょう。鍵や携帯電話は玄関の近くに置くのも一つの手です。使ったものは一つ一つ戻す、床に物を置かないといったルールを作るとよいでしょう。
3.片付けを習慣にする
片付けができない人は、散らかっていてもつい「あとでやろう」と思ってしまいがちです。「あとでやろう」と思った時こそ、「今やろう」と意識を切り替えられるようになりましょう。
部屋が片付くと気持ちいいものです。必要なものを探す時間も短縮されます。良いことずくめです。
物を使い終わったらすぐに片付けるクセをつけましょう。しまい忘れた物を見つけたらその場で片付けましょう。習慣にすることが大切です。
1日1箇所ずつやってみよう
1度に全部やろうとすると、頭が混乱してしまうかもしれません。ちょっとずつやっていきましょう。例えば1日1箇所ずつやってみるのいかがでしょう。
「今日は床に散らばった物の仕分けをしよう」「今日は風呂場にあるいらないものを捨てよう」「今日はCDの収納場所を作ろう」
こんなふうに1日ずつ小さな目標を立てて実行していけば無理なく片付けが進んでいきます。
それでも片付けられない人は
それでも片付けられない人は片付けのプロに頼みましょう。打ち合わせの時に、どういった物は捨ててどういった物は残すのか、線引をしておきましょう。
例えば、「衣類は汚れが酷いものはどんどん捨ててください」「本やDVDは残しておきたいものは自分で選んでおくので、他は捨ててください」などです。
場所別の片付け・収納の仕方
場所別の片付けと収納の仕方を紹介します。是非参考になさってください。