ADHDの原因 神経伝達物質の伝達障害
神経伝達物質の伝達不全がADHDの原因の1つとされています。ADHDの人は、シナプス(情報伝達を行う部位)間の神経伝達物質(ノルアドレナリンなど)の密度が低く、情報伝達が正しく行われていないと考えられています。
神経伝達物質はシナプスから放出されて、別の神経細胞の受容体に結びついて情報を伝達します。その後、トランスポーターというシステムによって、神経伝達物質を再取り込みし、元の神経細胞に戻ります。これが通常の方の神経伝達物質の情報伝達の仕組みです。
ところがADHDでは、トランスポーターが過剰に働き、シナプスから放出された神経伝達物質を取り込みすぎてしまい、情報が伝達されにくい状態になっています。
大人にも使える薬物「ストラテラ」
2012年8月、成人のADHD治療薬として「ストラテラ」が使えるようになりました。成人のADHD治療薬としては初めての適用です。
ストラテラは、トランスポーターと結合することで、神経伝達物質(ノルアドレナリン)の過剰な再取り込みを防ぎます。
2013年12月、コンサータも「大人のADHD」の患者に使えるようになりました。
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